ライ バー 事務所の 業務 委託とは? 雇用との 違いと、 契約前に 確かめる点
この記事でわかること
「業務 委託」と 「雇用」の 違いと、 契約の 名前より 実態が 見られること フリーランス法 (2024 年11 月施行)で、 契約の ときに 書面で 示される項目 報酬の 支払い 期日や、 契約を やめる ときの 予告に 関する 決まり 契約書で 確かめる 項目と、 契約前に 聞く質問 困った ときの 相談先
ライバー事務所に応募すると、契約書や募集ページに「業務委託契約」という言葉が出てくることがあります。
「雇用とは何が違うのか」「業務委託だと、何を自分で決められるのか」「契約の前に、何を確かめればよいのか」と、迷う方は多いと思います。
この記事では、「業務委託」という言葉の意味を、雇用との違いから説明します。
そのうえで、契約の名前より実態が見られること、フリーランス法で定められた書面の項目、契約書で確かめる点、困ったときの相談先をまとめます。
法律の細かい当てはめは、契約の中身によって変わります。
この記事は、一般的な整理であり、個別の契約について法的な判断をするものではありません。
この記事は 2026年10月17日 に、厚生労働省の「労働基準法における『労働者』とは」、公正取引委員会のフリーランス・事業者間取引適正化等法のパンフレット(令和6年11月1日施行)、同委員会の令和7年12月9日の発表で確かめた内容です。
法律や指針は改正されることがあります。
契約の前には、最新の情報をあわせて確認してください。
先に結論
業務委託は、会社に雇われるのではなく、個人の事業者として仕事を引き受ける形です。
ただし、契約書に「業務委託」と書いてあるだけでは決まらず、実際の働き方で見られます。
契約のときは、報酬、支払い日、期間、やめ方、制限を、書面で確かめてください。
ライバー事務所でいう「業務委託」とは

フリーランス法(正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)では、「業務委託」を、事業者が事業のために他の事業者に、内容を指定して、物品の製造、情報成果物の作成、役務の提供を委託することとしています。
このとき、仕事を頼まれる側が、従業員を使わない個人などの場合は、法律上「特定受託事業者」と呼ばれます。
公正取引委員会のパンフレットには、本業が会社員の人が、副業として事業を行い、他の事業者から業務委託を受ける場合も、特定受託事業者に当たる、と書かれています。
ライバー事務所の契約では、この言葉が使われることがあります。
ただし、事務所によって、契約の名前は「業務委託契約」「マネジメント契約」などさまざまです。
名前よりも、報酬、期間、やめ方、制限といった中身を確かめることが大切です。
雇用との違い
雇用と業務委託は、仕事の頼まれ方と、守る法律が違います。
労働基準法は、労働者を「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定めています。
一方、業務委託を受ける人は、会社に使用される人ではなく、自分の事業として仕事を引き受ける人です。
| 項目 | 雇用(労働契約) | 業務委託 |
|---|---|---|
| 仕事の頼まれ方 | 会社に使用されて働く | 事業者として、仕事を引き受ける |
| お金の呼び方 | 賃金(給料) | 報酬 |
| 適用される主な法律 | 労働基準法などの労働関係の法律 | フリーランス法など(実態が雇用に近いときは、労働関係の法律が適用される) |
| 仕事を断れるか | 指示は、基本的に従う | 依頼を受けるかどうかを、自分で決められるのが基本 |
表の内容は、一般的な整理です。
どちらに当たるかは、次の節で説明するように、契約の名前ではなく、実際の働き方で判断されます。
契約の名前ではなく、実際の働き方で見られる

厚生労働省のページ「労働基準法における『労働者』とは」には、労働者かどうかを判断する「使用従属性」は、契約の形式や名称にかかわらず、契約の内容、労務提供の形態、報酬などの要素から、個別の事案ごとに総合的に判断される、と書かれています。
公正取引委員会のパンフレットにも、形式的には業務委託契約を結んでいても、実質的に労働基準法上の労働者と判断される場合には、労働基準関係法令が適用され、フリーランス法は適用されない、と書かれています。
判断に使われる主な見方
厚生労働省のページには、次の見方が示されています。
どれか1つで決まるのではなく、全体を見て判断されます。
| 見方 | 確かめること | 配信の場面でいうと |
|---|---|---|
| 諾否の自由 | 仕事の依頼や指示を断れるか | 配信の企画やイベントへの参加を、断れるか |
| 指揮監督の有無 | 仕事の進め方について、指揮監督を受けているか | 配信の内容や話し方を、細かく指示されるか |
| 拘束性 | 勤務時間や場所を、決められているか | 配信の時間帯や場所を、一方的に決められるか |
| 代替性 | 本人の代わりに、別の人が仕事をできるか | この項目は、指揮監督関係を補強する要素とされている |
| 報酬の労務対償性 | 報酬が、指揮監督下の労働の対価として払われているか | 配信した時間そのものに、お金が払われる形か |
| 事業者性・専属性 | 独立した事業者としての実態があるか。 特定の相手に専属しているか | ほかの活動をすることが、制限されていないか |
この表だけで、自分の契約を判断しないでください
ここに挙げたのは、厚生労働省のページに書かれた見方を、配信の場面に置き換えた例です。
実際にどう判断されるかは、契約の内容と働き方によって個別に決まります。
迷うときは、後の節で紹介する相談先に確認してください。
実態が雇用に近いと感じたときの相談先として、全国の労働基準監督署に「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」が設けられています(受付は平日の8時30分から17時15分)。
この窓口は、フリーランス法が施行された令和6年11月1日に合わせて設けられたものです。
業務委託の契約で、書面に書かれるべきこと

フリーランス法は、2024年11月1日に施行されました。
公正取引委員会のパンフレットによると、仕事を頼む側(発注事業者)は、フリーランスに業務委託をしたとき、直ちに、取引の条件を書面または電磁的方法(電子メール、SNSのメッセージ、チャットツールなど)で示さなければなりません(第3条)。
ライバーと事務所の契約が、この法律の対象になるかは、契約の中身によります。
ただ、対象になるかどうかにかかわらず、次の項目が書面に書かれているかを確かめることは、役に立ちます。
| 書面に示すべき項目(第3条) | ライバーの場合に確かめること |
|---|---|
| 双方の名称 | 契約の相手が、どの会社(誰)か |
| 業務委託をした日 | いつ合意した契約か |
| 仕事の内容 | 何を頼まれるのか(配信の回数、時間、内容など) |
| 仕事をする期日・場所 | いつ、どこで配信するか |
| 報酬の額と支払期日 | いくら、あるいはどう計算し、いつ払われるか。 金額が決めにくいときは、算定方法の記載でも可とされている |
| 金銭以外で払う場合の支払方法 | お金以外の形で払われるものがないか |
ライバーの報酬は、TikTokから直接支払われるしくみもあります。
その場合は、事務所との契約で、お金のやりとりがどうなっているのかを、特に注意して確認してください。
報酬の支払い期日と、契約をやめるときの予告
パンフレットには、報酬の支払期日についても書かれています。
仕事を受け取った日から60日以内の、できる限り短い期間内で、具体的な日を定める必要があります。
「○日以内」のような書き方は認められず、「毎月末日締め、翌月末日払い」のように日を特定する形が例として示されています。
契約をやめるときについては、6か月以上の期間で行う業務委託の契約を、途中で解除したり、更新しなかったりする場合、原則として、解除日または契約満了日の30日前までに予告しなければならない、とされています(第16条)。
予告のあと、フリーランスが理由の開示を求めたときは、発注事業者は遅れずに開示しなければなりません。
ただし、災害などの事情がある場合や、フリーランスに責任がある場合など、例外もあります。
この決まりは、契約の相手によって適用が変わります
パンフレットでは、取引条件を示す義務は、フリーランスに業務委託をするすべての事業者にかかります。
報酬の支払期日の義務は、従業員を使う事業者などの「特定業務委託事業者」にかかり、禁止行為や契約をやめるときの予告は、これに加えて、一定の期間(禁止行為は1か月、予告は6か月)以上の業務委託の場合が対象と整理されています。
自分の契約に当てはまるかは、契約の中身と相手の規模で変わるため、相談先で確かめてください。
契約書で確かめる項目と、契約前に聞く質問

契約の名前が「業務委託」であっても、ほかの名前であっても、確かめる項目は共通です。
面談や契約の前に、次の項目を書面で確かめてください。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 契約の形 | 雇用なのか、業務委託なのか、ほかの形なのか。 雇用でないのに「給料」「社員」と書かれていないか |
| 期間と更新 | いつからいつまでか。 自動で更新されるか。 更新を止める方法 |
| 報酬の流れ | 誰から、どのように払われるか。 事務所が受け取る金額や割合があるか |
| 費用 | ライバーが払う費用が、一覧で書かれているか |
| やめ方 | 解約の方法、予告の期間、違約金の有無 |
| 制限 | ほかの事務所との契約、ほかのアプリでの活動、やめた後の制限 |
| 個人情報 | 集めた情報を何に使うか。 第三者に渡す場合の条件 |
公正取引委員会は、令和7年12月9日、ライブ配信アプリ「Pococha」で活動するライバーの事務所4社に、「注意」を行いました。
所属ライバーとの契約で、契約終了後の一定期間、ライブ配信の禁止、他の事務所との契約の禁止、同種の事業の禁止を定めていたことが、合理的な理由がなく、移籍や独立をけん制する目的であれば、独占禁止法に違反するおそれがあるとされたものです。
特定の事務所の悪い話ではなく、「やめた後の制限」は、契約書で必ず確認したい項目だという例として、紹介します。
契約前に聞く5つの質問
- この契約は、雇用ですか。それとも、業務委託ですか。
- 報酬は、誰から、いつ、どうやって支払われますか。
- ライバーが払う費用は、ありますか。あるなら、一覧で見せてもらえますか。
- やめるときの条件(予告の期間、違約金)は、どうなっていますか。
- やめた後に、配信や、ほかの事務所との契約を制限する決まりはありますか。
その場で契約を求められたときは、持ち帰って、書面を読む時間をとってください。
18歳・19歳や学生の方は、保護者や信頼できる人に、契約書を見てもらうことをおすすめします。
困ったときの相談先

契約の内容に不安があるとき、またはトラブルになったときは、次の窓口に相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| フリーランス・トラブル110番 | フリーランスと発注事業者との取引上のトラブル全般。 弁護士が電話やメールで相談に応じ、和解あっせんも行う。 法違反かどうか分からない場合も相談できる |
| 労働基準監督署の「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」 | 業務委託と言われているが、実態は雇用に近いと感じるとき |
| 消費者ホットライン(188) | 契約や勧誘でトラブルになったときの、消費生活の相談 |
パンフレットには、行政機関に申し出をしたことを理由に、契約を解除するなどの不利益な取り扱いをしてはならない、とも書かれています。
相談は、契約をやめる前でも、後でもできます。
DUOの場合

DUOは、TikTok LIVEの提携エージェンシーです(「公式」「公認」ではありません)。
所属ライバーは100人以上で、ノルマはなく、違約金も、登録料やレッスン料などの費用もありません。
DUOとライバーの契約は、雇用でも業務委託でもありません。
事務所とライバーのあいだで、お金のやりとりはありません。
報酬は、TikTokが定めて、TikTokからライバーに直接支払われます。
DUOは、ライバーの報酬から差し引いていません(仕組み上、差し引くことができません)。
契約書の内容は、面談で説明します。
提携の税理士がいて、税金のことは相談できます。
代表は現役のライバー(2020年から配信)で、マネージャーは全員ライバー経験者です。
応募は18歳以上です。
DUOが合うかどうかは、面談で確かめてから決められます。
よくある質問
業務委託だと、自分で確定申告をするのですか。
契約の形によって、税金の扱いは変わります。
TikTokヘルプには、TikTokの従業員や請負業者ではない人は、TikTokから受け取る支払いにかかる税金を、本人が申告して納める、と書かれています。
事務所から支払いを受ける契約の場合の、所得の区分や申告のしかたは、税務署または税理士に確認してください。
業務委託なら、ほかの事務所にも所属できますか。
契約書に書かれた制限によります。
ほかの事務所との契約、ほかのアプリでの活動の制限があるかを、契約の前に確認してください。
「業務委託」と書いてあれば、雇用の法律は使えませんか。
厚生労働省のページには、契約の形式や名称にかかわらず、個別に総合的に判断されると書かれています。
名前が業務委託でも、実態が雇用に近ければ、労働関係の法律が適用される場合があります。
契約書を渡してもらえないときは、どうすればよいですか。
フリーランス法の対象になる契約では、取引の条件を、書面または電磁的方法で示す必要があります。
示されないときは、書面で条件を示してほしいと伝え、それでも応じないときは、フリーランス・トラブル110番などに相談してください。
契約の途中でやめたいときは、どうすればよいですか。
契約書に書かれた、解約の方法と予告の期間を確認します。
違約金の有無も、契約の前に確認しておくことが大切です。
不安があるときは、相談先に連絡してください。
18歳でも契約できますか。
TikTok LIVEの配信は18歳以上と、TikTokの公式に書かれています。
契約するときは、保護者や信頼できる人に、書面を見てもらうことをおすすめします。
まとめ
- 業務委託は、会社に雇われるのではなく、個人の事業者として仕事を引き受ける形で、報酬を受け取る
- 契約の名前ではなく、仕事を断れるか、時間や場所を拘束されるか、など実際の働き方で判断される
- フリーランス法(2024年11月施行)では、取引の条件を書面などで示すこと、報酬は受け取った日から60日以内に払うことなどが定められている
- 契約書では、契約の形、期間、報酬の流れ、費用、やめ方、やめた後の制限を確かめる
- 困ったときは、フリーランス・トラブル110番、労働基準監督署、消費者ホットライン(188)に相談できる
契約や報酬のしくみで分からないところは、DUOにLINEで質問できます。
面談で説明を聞いてから、決めてください。
